成年後見制度を利用した方がよい事例をご紹介します。

北九州成年後見センターは、成年後見制度に関するご相談の受付だけでなく、裁判所から後見人に選任されることもあります。最近センターが相談を受けた事例です。

事例1 病院・介護保健施設で入所者の金銭管理をしてもらえない

判断能力が十分でない高齢者が介護されている場合です。最近では金銭管理(支払いの代行、預貯金の出し入れ、金銭の預かり、伝票や領収書の整理、出納帳の記入等)に時間や手間がかかることなどから、病院・施設で金銭管理を行わないケースが多くなっています。

この場合は、選任された後見人が本人に代わって日常的な金銭管理を行うことになります。

事例2 交通事故に遭った息子の保険の解約をしたい

交通事故に遭い判断能力を失った息子の保険料を負担することができない。それで保険の解約をしたいが、保険会社からは契約者以外は解約できないと言われた。という場合です。

成年後見制度を利用すれば契約者でなくても「解約」や「減額」などの保全手続きを受け付ける保険会社が多いです。

事例3 突然倒れた主人の口座から現金を引き出せない

脳梗塞などでご主人が突然倒れてしまって、家族が本人の口座から現金を引き出すことができないという場合です。不正引き出しの被害が多くなっているので、最近は本人以外の引出ができないように厳しくなっています。また本人に成りすましATMからお金を引き出せば、詐欺、横領・窃盗等の罪に問われることもあります。

この場合は、選任された後見人が本人に代わって金銭管理を行うことになります。

事例4 障害のある息子が財産を受け取るには

障害のある方の両親が亡くなったことにより、相続が発生した場合です。本人の判断能力がなければ、相続登記に必要な遺産分割協議をすることはできません。

この場合は、選任された後見人が本人に代わって遺産分割や相続登記手続きを行うことになります。

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