親族クイズ(申立権者の巻)
後見開始の審判の申立ができる人は、本人、配偶者、四親等内の親族など、民法で決まっています。
さて、四親等内の親族とは、どのような範囲なのでしょう?「誰が後見の申立できますか?」という質問をよく聞きますので、今回はクイズ形式で説明してみたいと思います!
問題
Aさんの判断能力が衰えてきたようなので、Aさんの後見開始申立を検討しています。
さて、次の方々は、Aさんの四親等内の親族として後見開始の審判を申し立てることができるでしょうか?
親族クイズ(申立権者の巻) 答え
問題
Aさんの判断能力が衰えてきたようなので、Aさんの後見開始申立を検討しています。
さて、次の方々は、Aさんの四親等内の親族として後見開始の審判を申し立てることができるでしょうか?
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Q1 |
Q2 |
Q3 |
Q4 |
Q5 |
Q6 |
Q7 |
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Q10 |
あなたの解答 |
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正しい解答 |
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□:正解 ■:不正解
解説
Q1:Aさんの祖父の再婚相手
正解:○
あなたの解答:
Aさんからみて、祖父は二親等の血族で、その再婚相手は二親等の姻族となります。
姻族とは、ある人からみて、その人の配偶者の血族、およびその人の血族の配偶者です。姻族は、三親等内までが親族に含まれますので、二親等の姻族は、親族であり、後見申立権者の範囲にも含まれます。
Q2:Aさんの従姉妹の夫
正解:×
あなたの解答:
親族とは、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族をいいます(民法725条1項1号から3号)。
姻族とは、ある人からみて、その人の配属者の血族、及びその人の血族の配偶者です。従姉妹は四親等の血族で、その配偶者は四親等の姻族になります。四親族の姻族は、親族に含まれませんので、申立権者ではありません。
Q3:Aさんの死別した妻の兄
正解:○
あなたの解答:
夫婦の一方が死亡した場合は、姻族関係は終了しません。
ただし、Aさんが妻の親族との姻族関係を終了させる意思を表示したときは姻族関係が終了します(民法728条2項)。そのような意思表示がない場合、Aさんの死別した妻の兄は、二親等の姻族のままです。Aさんが妻と離婚した場合は、妻の親族との姻族関係は終了します(民法728条1項)。
Q4:Aさんの妻の姉の夫
正解:×
あなたの解答:
Aさんの妻の姉は、Aさんの姻族ですが、その夫は、姻族ではありません。
姻族とは、ある人からみて、その人の配偶者の血族、およびその人の血族の配偶者です。Aさんの妻の姉は、Aさんの妻の血族ですが、Aさんの妻の姉の夫は、Aさんから見ると配偶者の血族ではないので、Aさんの姻族ではありません。
Q5:Aさんの子で、別れた妻の再婚相手の養子になっている子(養子縁組したとき子は20歳)
正解:○
あなたの解答:
自分の子が養子縁組をしても親子関係は終了しません。
ただし、自分の子が特別養子縁組をした場合は、実親との親族関係は終了します。特別養子縁組は原則養子が6歳未満、例外でも8歳未満でなければ縁組ができません。20歳の子が特別養子縁組することはありませんので、Aさんと子の親子関係は終了しません。
Q6:Aさんの妻の連れ子で、Aさんはその子の父親ではなく、養子縁組もしていない場合
正解:○
あなたの解答:
Aさんの妻のいわゆる連れ子は、Aさんと養子縁組しない限り、Aさんの子ではありません。しかし、Aさんの妻の血族ですから、Aさんにとっては、一親等の姻族です。
Q7:Aさんの兄の養子
正解:○
あなたの解答:
養子は、養親の血族との間においては血族間におけるのと同一の親族関係が生じます(民法727条)。
Aさんの兄の養子からみると、Aさんは養親の血族ですから親族です。3親等の血族と同じ関係ですので、後見申立権者に含まれます。
Q8:Aさんの養子の叔父
正解:×
あなたの解答:
養親と養子の血族との間には親族関係が生じませんので、Aさんの養子の叔父は、Aさんの親族ではありません。
ただし、養子の配偶者と養親、養子縁組後の直系卑属及びその配偶者と養親との間には親族関係が生じます(民法729条)。
Q9:Aさんの養子の連れ子(Aさんとの養子縁組前に生まれた子)
正解:×
あなたの解答:
養子縁組前に生まれた養子の子と養親との間には親族関係は生じません(大判昭和7年5月11日民集11・1062)。
Q10:Aさんの養子の子でAさんとの養子縁組後に生まれた子
正解:○
あなたの解答:
養子縁組後に生まれた養子の子と養親との間には親族関係が生じますので、Aさんの孫と同じ2親等の親族になります。