みると通信:アルコール依存症について知ろう【第2回】
【第2回】アルコール依存症の診断
第2回目は、医学的な診断について解説したいと思います。アルコール依存症は精神疾患の一つとして、治療を促す対象の疾患であり、その治療については保険診療の対象となります。診断については、WHO(世界保健機構)が作成した診断基準「ICD‐10(国際疾病分類第10版)」を参考にすることができます。次のような診断ガイドラインを定めていて、過去1年間のある期間に、次の項目のうち3つ以上がともに存在した場合に、アルコール依存症の疑いがあるといえます。
飲酒への強い欲望あるいは強迫感 |
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飲酒開始、飲酒終了、飲酒量のいずれかコントロール障害 |
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アルコールを中止もしくは減量したときの離脱状態 |
酒をやめるか量を減らしたときに次のような症状が出現し、飲むと消えるか軽くなる。
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はじめはより少量で得られたアルコールの効果を得るために、使用量をふやさなければならないような耐性の証拠 |
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アルコールのために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになり、アルコールを摂取せざるを得ない時間や、その効果からの回復に要する時間が延長する。 |
たとえば次のようなことです。
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明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、アルコールを使用する。 |
有害な結果とは、
などです。 |
参考文献:「アルコール依存症治療と回復の手引き」
監修「高木敏・猪野亜朗」
発行「小学館」
参考HP:特定非営利活動法人ASK
(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/index.html