みると通信:Q&A その4 本人が亡くなった後のこと

Q&A その4 本人が亡くなった後のこと

亡くなった本人が遺言書を残していた場合には、財産の引き渡しをどのように行えばよいですか。
遺言は、遺言者の最終の意思を尊重しようとするものですから複数の遺言書がある場合、前の遺言が後の遺言に抵触するときは、その部分が撤回されたものとして扱われることになります。ところで、問題の遺言書が本人の最後の遺言書であるかどうかはっきりしませんので場合を分けて考えることにしましょう。本人の遺言書が他に存在しないで、その遺言書に遺言執行者が記載されていれば、その遺言執行者に財産を引き渡さなければなりません。というのも、遺言執行者は相続財産の管理や、その他遺言の執行に必要な一切のことを行う権利を有し、義務を負っているからです。もし、遺言執行者の定めがなかったときは、利害関係人として家庭裁判所に遺言執行者を選任するように申し立て、裁判所から選任された遺言執行者に財産の引き渡しをすることになります。問題となるのは遺言書が他に存在する可能性がある場合ですが、そのような場合には、家庭裁判所に相談したうえで、その後の対応を行うようにしましょう。

本人の両親は既に他界しており、配偶者は存命です。2人の間には子どもがいませんが、相続人は配偶者だけですか。
相続人となる可能性のある人は、(1)子、(2)直系尊属(父母、祖父母等)、(3)兄弟姉妹、(1)配偶者ですが、兄弟姉妹は(1)、(2)が存在しない場合に、直系尊属は(1)が存在しない場合に、配偶者は常に相続人となることができます。つまり、配偶者は、他に相続人となる親族がいる場合、その親族と一緒に相続人となります。ということで、今回の場合、本人に祖父母や兄弟姉妹がいなければ配偶者だけが相続人となることになります。注意しなければならないことは、代襲相続の有無です。代襲相続とは、相続人となることができたはずの(1)や(3)が本人が亡くなる前に既に亡くなっていて、その人に子がある場合に、その子が亡くなった親に代わって相続人となることをいいます(孫の場合には、曾孫まで再代襲が認められます)。つまり、今回の場合、本人の兄弟姉妹や甥や姪の存否次第ということになります。