みると通信:『後見監督人』の制度について知ろう! その1
今回のコラムのテーマは、『後見監督人』です。
最近、成年後見制度に関して目や耳にする機会は増えていますよね。
その影響か、一般の方々にも「後見人」に対する認知度は高まっているように思います。
では、今回のテーマとなっている、「後見監督人」についてはご存知ですか?
実務上では、「後見人」にプラスして「後見監督人」が選任される、そのようなケースが増えつつあります。ですが、その存在や役割についてはあまり知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、「後見人」の陰で人知れず責務を果たしている「後見監督人」について取り上げてみることにしました。数回にわたってご紹介していきますから、どうぞ皆様最終回まで読まれて下さいね!
1.後見監督人とは・・・
さて、“そもそも、「後見人」についてよく知らないのだけど。”という方がいらっしゃいましたら、当ホームページでは、「後見人」にまつわる沢山の情報を掲載していますので、是非色々なページを閲覧して「後見人」について知っていただけると幸いです。
では、本題の「後見監督人」のお話しに入りましょう。
「後見監督人」は、一定の人からの申立て、又は家庭裁判所の職権で選任されます。必ず選任されるわけではなく、家庭裁判所が必要だと判断したときだけ選任されることになります。
ここで、皆様思い出してみてください。「後見人」は、自分の仕事に関して、「家庭裁判所」に報告や相談などを行うことで、家庭裁判所による監督を受けていましたよね。
“じゃあ、「後見監督人」が選任されると、家庭裁判所と後見監督人から二重に監督されるってこと!?”と思われる方がいらっしゃることでしょう。
確かに、後見監督人もまた後見人を監督する役割を担っています。でもこれは、「家庭裁判所」という公的な機関による監督だけではなかなか目の届きにくい部分を、専門的知識をもった第三者が後見人の身近なところで監督することにより、本人に対するサポート体制をより円滑で強固なものにする、といった補充的な意味合いがあります。
また、実務上では、残念ながら後見人によるお金の使い込みなどの不正が見られるようになったため、本人財産に対する侵害行為を防ぐために後見監督人を選任するといった処置が取られるようになりました。
高齢化社会が進み後見制度の利用が増加の一途を辿っている今、後見監督人が選任されるケースも増加しつつあり、ますます後見監督人が果たす役割は大きくなっているといえるでしょう。
2.どのようなときに後見監督人が選任される可能性があるのか
続いては、どのような場合に「後見監督人」が選任される可能性があるのかをご紹介しましょう。まず、「後見監督人」が選任されるのは、家庭裁判所が「必要である」と判断したとき、でしたね。この、必要性があるときとは、どのような場合なのかといいますと、具体的な例として次のようなケースが考えられます。
- 財産額が大きい、財産の種類が多岐にわたっている
- 後見の申立てを行う際に、本人について不動産の売買や遺産分割手続など、重要な課題や契約などの法律行為が見込まれている
- 遺産分割協議など後見人と本人との間で利益相反する行為について後見監督人に本人の代理をしてもらう必要がある
上記の他にも、下記ホームページにて、詳細な紹介がなされていますので、ご参考になさってください
- 東京家庭裁判所HP
「後見Q&A」の「Q12:成年後見人等に後見人等候補者以外の方が選任されたり,成年後見監督人等が選任されたりするのはどのような場合ですか?」
3.どんな人が後見監督人に選ばれるのか
ここまでお読み下さった方はすでにお分かりかと思いますが、「後見監督人」が選ばれるのは、「後見人」のみでは仕事の内容が難しい・専門的知識が必要、といった場合が多いと言えますよね。
もともと「後見人」として第三者の専門家が選任された場合には、その様な心配はありませんので、後見監督人が選ばれるのは、「後見人」として親族が選任されたときに、案件によっては、専門家が「後見監督人」に選任される、といった形式が多いようです。
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