みると通信:ギャンブル依存症について知ろう その3
~ギャンブル依存症の診断と回復~
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターが、国際的な診断基準を日本向けに改変したチェックリストをホームページで公開していますので、以下にご紹介します。次の9項目中5項目以上に該当すると要注意とされています。
- ギャンブリングにとらわれている。興奮を得たいがために、掛け金の額を増やしてギャンブリングをしたい欲求が生じる。
- ギャンブリングをするのを抑える、減らす、やめるなどの努力を繰り返し、成功しなかったことがある。
- ギャンブリングをするのを減らしたり、またはやめたりすると落ち着かなくなる、またはいらいらする。
- 問題から逃避する手段として、または不快な気分を解消する手段としてギャンブリングをする。
- ギャンブリングで金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い。
- ギャンブリングへののめり込みを隠すために、家族、治療者、またはそれ以外の人に嘘をつく。
- ギャンブリングの資金を得るために、偽造、詐欺、窃盗、横領などの非合法的行為に手を染めたことがある。
- ギャンブリングのために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらす、または失ったことがある。
- ギャンブリングによって引き起こされた絶望的な経済状態を免れるために、他人に金を貸してくれるように頼ったことがある。
【参考HP】
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター ホームページ
ギャンブル依存症(病的賭博)は精神疾患ですので、ひとたびギャンブル依存症になった人が、娯楽として節度のあるギャンブルを続けることは不可能と言えます。また、ギャンブル依存症は進行性の病気ですので、本人やご家族の努力だけで、ギャンブルをやめ続けることは容易ではありません。公的医療保険を使って医療機関で治療を受けることができます。精神科病院やクリニックでの受診となりますが、依存症の治療に対応できる精神科医療機関は限られています。最寄りの精神保健福祉センターで確認したほうが良いでしょう。精神科医師、臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士などがチームになって、依存症からの回復を支援します。入院や外来治療だけでなく、依存症専門のデイケアーや自助グループなど、回復に向けたプログラムも準備されているところもあります。
ギャンブル依存は慢性の病気ですから再発もつきものです。ですが、一人ではきつくても共に回復の道を歩む仲間がいれば、日々乗り越えることができます。最も代表的なギャンブル依存症を抱える人々のための自助グループはGA(ギャンブラーズ・アノニマス)です。日本全国各地にグループがあり、協力施設での会場にて定期的にグループミーティングを行っています。ミーティングではギャンブル依存回復を目指す本人たちが集まり、互いの過去の経験や現在の状況を語り合います。ミーティングに参加しながら12ステップと呼ばれるプログラムを活用し、ギャンブル依存症である自分自身の生き方の問題点に目を向けるといった方法を行っています。ギャンブルを止めたいという意思があれば誰でも無料で参加でき、プライバシーも守ることを約束されています。どのような宗教や団体にも所属せず、医師などの立会いもありません。ミーティングは本人参加だけのクローズ形式と、従事者などでも参加できるオープン形式のものあります。各都道府県に会場があり、最も身近に参加しやすい自助グループであるといえます。
【参考HP】
北九州市いのちとこころの情報サイト ~ギャンブル依存相談窓口~
関連リンク:
ギャンブル依存症について知ろう