「相談支援事業所と相談支援専門員の役割について」(第1回)

「相談支援事業所と相談支援専門員の役割について」

今回は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の中に位置付けられている
相談支援事業所や相談支援専門員について説明していきたいと思います。

まずは、相談支援事業所で提供している障害者に関わる主な相談支援の内容について触れていきたいと思います。

1.基本相談支援

障害福祉に関するさまざまな相談に応じます。
障害を持つ方やそのご家族からの相談内容に対して、必要な情報提供や助言をおこないます。
基本相談支援は、相談支援全体のベースであり、「計画相談支援」や「地域相談支援」、「障害児相談支援」へつなぐ起点となります。

2.計画相談支援

障害福祉サービスの利用にまつわる相談に応じます。
計画相談支援はさらに以下の2つに分けられます。

  • サービス利用支援

一人ひとりの悩み・困り事に合った障害福祉サービスの利用までを支援します。
サービスの利用申請に必要な「サービス等利用計画案」の作成や、サービスを提供する事業者との連絡調整などをおこないます。

 

  • 継続サービス利用支援

既に提供が始まっているサービスを見直す支援です。
サービス利用者に対して、一定期間ごとに「サービス等利用計画」を見直すモニタリングをおこないます。
モニタリングの結果をもとに、必要に応じて関係機関を集めた会議の実施、サービス利用の更新、サービス等利用計画の見直しに関する調整をおこないます。

3.地域相談支援

障害を持つ方が、地域で独立して生活するための相談に応じます。
地域相談支援はさらに以下の2つに分けられます。

  • 地域移行支援

障害者支援施設、精神科病院、保護施設、矯正施設等を退所・退院する障害のある方、児童福祉施設を利用する18歳以上の方、障害者支援施設等に入所する15歳以上の方等を対象として、施設や病院などを出て、自立した地域生活を目指す人を支援します。
具体的には、生活に必要な手続き支援、利用する福祉サービスの見学・体験をするための外出同行や、入居支援など、地域生活の準備をサポートします。

  • 地域定着支援

居宅において単身であるため緊急時の支援が見込めない状況にある方や、居宅において家族と同居している障害のある方であっても、
その家族等が障害、疾病等のため、緊急時の支援が見込めない状況にある者の中で、
地域生活を継続していくために緊急時等の支援が必要と認められる方が対象となります。
また、障害者支援施設等や精神科病院から退所・退院した方のほか、
家族との同居から一人暮らしに移行した方や地域生活が不安定な方等も対象になります。
その方々が施設や病院に再入所・再入院することなく地域で暮らし続けるための支援をおこないます。
トラブルが起きたとき・不安なときの相談にいつでも応じられるよう、常時の連絡体制を確保
(夜間職員の配置、携帯電話等による利用者や家族との連絡体制の確保)し、
緊急時の対応(迅速な訪問、電話等による状況把握、関係機関等の連絡調整、一時的な滞在による支援)をおこないます。