中核機関について(第二回)
中核機関とは、成年後見制度の広報や相談窓口の開設を行うほか、制度に関わる各種個人・団体の情報を集積し、相互の連携の強化を図ることを目的とした機関です。
今回のコラムでは、中核機関の役割についてお伝えします。
2中核機関の役割
中核機関は、以下の5つの機能を担うことを求められています。
1)広報機能
地域における効果的な広報活動推進のため、広報を行う各団体・機関(弁護士会・司法書士会・社会福祉士会、行政、福祉事業者、医療機関、金融機関、自治会等)と連携しながら、パンフレット作成・配布、研修会・セミナー企画等の広報活動が、地域において活発に行われるようにする。
2)相談機能
成年後見制度の利用に関する相談に対応する体制を構築する。
権利擁護に関する支援が必要なケースについて、関係者からの相談対応、後見等ニーズの精査、見守り体制の調整を行う。
3)成年後見制度利用促進事業
(a)受任者調整(マッチング)等の支援
○ 親族後見人候補者・市民後見人候補者等の支援
○ 受任者調整(マッチング)等
家庭裁判所が後見人を選任するにあたって、中核機関が本人の状況等に応じた適切な後見人候補者の選定、必要な支援体制を検討する。
(b)担い手の育成・活動の促進
○ 市民後見人の研修・育成・活用
○ 法人後見の担い手の育成・活動支援
(c)日常生活自立支援事業等関連制度からのスムーズな移行
4)後見人支援機能
親族後見人や市民後見人等の日常的な相談に応じる。
必要なケースについて、法的な権限を持つ後見人と、本人に身近な親族、福祉・医療・地域等の関係者がチームとなって日常的に本人を見守り、本人の状況を継続的に把握し適切に対応する体制を作ること。
・ 専門的知見が必要であると判断された場合において法律・福祉の 専門職が本人を支援することができるよう、専門職団体の協力を得られる仕組みを作る。
など、意思決定支援・身上保護を重視した後見活動が円滑に行われるよう、支援する。
5)不正防止効果
成年後見制度における不正事案は、親族後見人等の理解不足・知識不足から生じるケースが多くなっている。地域連携ネットワークやチームでの見守り体制の整備により、親族後見人等が孤立することなく、日常的に相談等を受けられる体制が整備されていけば、不正の発生を未然に防ぐ効果が期待される。
また、仮に親族後見人等が本人に対する経済的虐待 や横領等の不正行為に及んだとしても、その兆候を早期に把握することができ、被害を最小限に食い止めることも期待される。
北九州市成年後見支援センターでは、成年後見制度に関する相談や、成年後見人等からの相談を随時受け付けています。
制度について分からないこと、詳しく知りたいことや、後見等業務についての疑問などがありましたら、お気軽にご相談ください。
参考
厚生労働省「成年後見制度利用促進基本計画」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202622_00017.html