「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」について(第三回)
誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現を目指して、『精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会』より、報告書が公表されました。
第二回は、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る基本的な事項」についてお伝えしました。
今回は、システムを構成する要素についてお伝えします。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構成する要素
地域精神保健及び障害福祉
○市町村における精神保健に関する相談指導等について、制度的な位置付けを見直す。
○長期在院者への支援について、市町村が精神科病院との連携を前提に、病院を訪問し利用可能な制度の説明等を行う取組を、制度上位置付ける。
精神医療の提供体制
○平時の対応を行うための「かかりつけ精神科医」機能等の充実を図る。
○精神科救急医療体制整備をはじめとする精神症状の急性増悪や精神疾患の急性発症等により危機的な状況に陥った場合の対応を充実する。
住まいの確保と居住支援
○生活全体を支援するという考えである「居住支援」の観点を持つ必要がある。
○入居者及び居住支援関係者の安心の確保が重要。
○協議の場や居住支援協議会を通じた居住支援関係者との連携を強化する。
社会参加
○社会的な孤立を予防するため、地域で孤立しないよう伴走し、支援することや助言等をすることができる支援体制を構築する。
○精神障害を有する方等と地域住民との交流の促進や地域で「はたらく」ことの支援が重要。
当事者・ピアサポーター
○ピアサポーターによる精神障害を有する方等への支援の充実を図る。
○市町村等はピアサポーターや精神障害を有する方等の、協議の場への参画を推進。
精神障害者や精神保健(メンタルヘルス)上の課題を抱えた者等(以下精神障害を有する方等)の家族
○精神障害を有する方等の家族にとって、必要な時に適切な支援を受けられる体制が重要。
○市町村等は協議の場に家族の参画を推進し、わかりやすい相談窓口の設置等の取組の推進。
人材育成
○「本人の困りごと等」への相談指導等や伴走し、支援を行うことができる人材及び地域課題の解決に向けて関係者との連携を担う人材の育成と確保が必要である。
もっと詳しく内容を知りたい方は、下記ホームページをご参照ください。
厚生労働省 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000152029_00003.html
参考
・地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業報告書
・みんなの医療ガイド