みると通信:知的障害、発達障害、精神障害(疾患)をもった人の働き方 ~一般(企業)就労編~
1 初めに
今回は知的障害、発達障害、精神障害(疾患)をもった人(以下、本人)の就労をテーマにしたいと思います。
本人が働くときには、「障害を開示して働く方法」と「障害を非開示のまま働く」選択があります。障害を開示して働く場合には、大きく分けて公的なサービスや支援を受けながら一般企業で働く働き方「一般就労」と障害福祉サービス事業所などで雇用関係にはない働き方「福祉的就労」に分かれます。
第1回目の今回は企業や事業所への「一般就労」を取り上げたいと思います。
「一般就労」の場合、成年後見人が雇用契約を結べるのかという疑問がありますが、成年後見人は本人を代理して雇用契約は結べます。しかし、雇用契約においては「労働を提供する」という「本人の行為を目的とする債務」が生じるため(民法824条、民法859条2項)、本人の同意が必要になってきます。
- (財産の管理及び代表)
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第859条
- 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
- 第824条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。
- (財産の管理及び代表)
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第824条
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
2 障害を非開示にして働く場合
知的障害、発達障害、精神障害(疾患)をもった人は見た目には障害を持っていることが分かりにくいということもありおおくのかたが障害を非開示にして働いています。
その場合、就労先をハローワークに限らず求人誌や新聞広告などを通じて探すことができます。就労先が見つかりやすいというメリットがありますし、健常者と対等な立場で働けるためやりがいがあるとも言えます。就業中に精神疾患(睡眠障害やうつ、アルコール障害など)に罹患して心療内科や精神科を受診しながらも仕事を続けている方もいらっしゃいます。
しかし、障害に配慮した職場環境の整備がされない、所得税の障害者控除など優遇措置は受けることができない、などのデメリットもあります。
デメリット | メリット | |
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オープン就労 |
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クローズ就労 |
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